「以前、悩んだ経験がある」もしくは「まさに今、悩んでいる」と回答した 日本人女性、30 歳から 45 歳618 名を対象にアンケートを実施しています。こちらでは厚生労働省から発表されているいくつかのデータから不妊に対する意識を見ていきます。アンケート出典元:厚生労働省
不妊に悩んだ経験がある、まさに今悩んでいる方30歳~45歳のアンケートにお答えいただいた618名の属性
該当数 | 比率 | 該当数 | 比率 | 該当数 | 比率 | |||
30歳~34歳 | 237 | 38.3% | 未婚 | 65 | 10.5% | 子あり | 225 | 36.4% |
35歳~39歳 | 184 | 29.8% | 既婚 | 553 | 89.5% | 子なし | 393 | 63.6% |
40歳~45歳 | 197 | 31.9% |
618名の不妊で悩んでいる、あるいは過去に悩んでだことがあるという女性たちにアンケートを実施しています。年代は30歳代前半、後半、40歳代前半、世代に偏りはなく、まんべんなくという印象です。ほとんど既婚者ですが、未婚の方でも1割ほどの方が子供を欲しい時にきちんと妊娠できるか?を悩んでいます。
不妊、不育いずれの悩みか?
妊娠しないことについて(不妊) | 77.8% |
妊娠はしても出産まで至らないことについて(不育) | 9.9% |
妊娠しにくく、また妊娠しても出産まで至らないことについて(不妊・不育の両方) | 10.8% |
その他 | 1.5% |
不妊症と不育症は妊娠の有無ではありますが子供ができない状況においては同じです。妊娠そのものが難しいことを不妊症、妊娠するが何等かの理由で流産や死産を2回以上繰り返すことを不育症といいます。妊娠したことのない女性が圧倒的に不妊に悩んでいますが、さらに妊娠したとしても育つ過程のどこかでうまく育たなかった(不育)ということも1割いるということは、妊娠してもその後出産までのプロセスにおいて母体がいかに大切なのかがわかります。
不妊に関して悩んでいる人→どのような悩みか?
複数回答 | ||
自分が原因だと思われる不妊について | 243 | 44.3% |
自分が原因だと思われる不妊について | 91 | 16.6% |
セックスの頻度が少ないことについて | 114 | 20.8% |
理由ははっきりしないが妊娠しにくいことについて | 305 | 55.7% |
その他 | 7 | 1.3% |
合計 | 548 | 100% |
半数以上の方が「理由がはっきりしない」とどうしてできないのだろう?と考えています。
ここで言えることは、答えはネットの中にも、友達に相談しても見つからなのではないでしょうか。なぜならば例え世代が同じでも、同じような生活習慣でも、個体としてのひとりひとりのカラダは違います。悩むより行動を。産婦人科で早めに妊娠の支障となる病気がないか?自然妊娠に至らない原因をドクターと相談してください。
妊娠、出産に向けてこれまで行ったこと
該当数 | 比率 | |
自分で情報収集 | 487 | 78.8% |
夫婦間での話し合い・情報収集 | 296 | 47.9% |
親しい友人・知人や家族など、周囲の人への相談 | 178 | 28.8% |
不妊や不育の治療経験がある人への相談 | 92 | 14.9% |
保健センターなどの、身近な医療・保健関係者への相談 | 14 | 2.3% |
不妊・不育に関する相談窓口への相談 | 12 | 1.9% |
専門の医療機関への相談 | 220 | 35.6% |
生活習慣の改善(サプリ等含む)など、自分で行う妊娠に向けた努力 | 212 | 34.3% |
性交のタイミングの調整など、夫婦で行う妊娠に向けた努力 | 292 | 47.2% |
専門医療機関での不妊症検査(自分)の受診 | 246 | 39.8% |
専門医療機関での不妊症検査(夫)の受診 | 168 | 27.2% |
不妊症治療の受療 | 176 | 28.5% |
その他 | 8 | 1.3% |
特に行ったことはない | 33 | 5.3% |
合計 | 618 | 100% |
この表を見て思ったのは、医療機関を受診する手前に厚労省で各都道府県、指定都市、中核市に設置している不妊専門相談センターがまったく利用されていないということでした。相談員は、産婦人科医の他に不妊症看護認定看護師さんや助産師さんや保健師さん、あるいは医療機関などから派遣されていたりするプロです。相談方法も面談の他にメールや電話などの方法を取っているところも多いので、ひとりで抱え込まず、あるいは思いこまずにプロに相談してみてください。→全国の不妊専門相談センター
特定治療支援事業の認知
該当数 | 比率 | |
知っていた | 273 | 44.2% |
知らなかった | 302 | 48.9% |
わからない、覚えていない | 43 | 7% |
合計 | 618 | 100% |
不妊治療に関する特定治療支援事業が設定されているのにも関わらずその事業そのものを知らなかったという方が半数も居ました。ライフプランにおいて子を産むという取り組みやタイミングについては国の施策として知っておかなければなりません。(注:2022年2月9日NHKの報道にて今後人工授精や体外受精などの不妊治療に加えてこれまで特例として認められてきた初診からのオンライン診療などにも公的保険が適用されることになりそうです。この情報も追っていきたいと思います。