生理のこと

◆生理の定義

生理のおこる定義と目的

生理は妊娠準備のため、周期的に繰り返される限られた日数で起こる子宮からの出血です。

メカニズム 

生理の前には排卵があります。排卵は卵巣の中の原始卵胞が女性ホルモンの働きで成長し飛び出します。卵子は卵管で精子との出会いにより受精卵になり子宮内膜に入り大きくなり、妊娠になります。受精しなかった場合は子宮内膜は不要なので血液に混ざって捨てられる状態、これが生理です。

よく女性ホルモンと一言で言われますが、ホルモンはひとつではなく、複雑に絡み合っています。

脳の司令塔である視床下部から性腺刺激ホルモンが分泌されると、その刺激を受けた脳下垂体から、卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンが分泌されます。そして、卵巣から卵胞ホルモン(エストロゲン)と、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌されます。

司令塔の視床下部はストレスの影響を受けやすく、生理の状態や体調にも影響が出ることがあります。過度のストレスやダイエット、激しい運動で生理が乱れたり無月経になるのも視床下部の影響があると考えられます。

生理との付き合いは早い子で10歳くらいから。その後女性として生まれたからには何十年も付き合うことになります。

生理はサイン。自分のカラダと向き合い状態を知ることができる。だからこそおろそかにしないでください。まだまだ結婚妊娠出産なんて先と言わず、もし生理不順があったり痛みが激しかったり出血の量が多い等「異変」を感じたらすぐに婦人科医に相談を。

生理不順は多嚢胞性卵巣症候群と言われる卵子が卵巣から出られなくなるという病気が隠れている可能性もあります。卵巣で通常より多くの男性ホルモンが分泌されることにより排卵しにくくなる病気で、生理が長引いたり不規則だったり、男性ホルモンが多いことから、ニキビや毛深くなるなどの症状がでたりします。自分の体のリズムを知るために若いころから基礎体温を付ける習慣をつけることをお勧めします。

デリケートゾーンのケア

昨今のご清潔ブームで生理の終わりかけやオリモノが気になって使い捨て膣内洗浄器やトイレの洗浄便座でビデを使う人が多く、婦人科に駆け込むという話をよく聞きます。

外側は通常の清潔を保つことが必要ですが、膣内のPHバランスは微妙に調節されていて善玉菌の乳酸菌がいるので洗浄を加えすぎると自浄作用を損なう可能性があり、かえってかゆみや炎症が生じる場合があります。

携帯ビデの使い方

早く生理を終わらせようとか、清潔にしようとしてビデを使いすぎると、善玉菌を流しすぎて膣炎を引き起こしたりします。においの元となっている悪玉菌は洗い流しても菌は死にません。またどうしてもオリモノが気になる方も迷わず婦人科に相談を。

オリモノが気になったら?

オリモノはカラダのサイン。子宮頚部、内膜、膣から酸性の分泌物。

平常は膣内の粘膜を守り汚れを輩出し、菌が子宮内に侵入するのを防ぐ大切な役割。

でもにおいや色がついていたり、かゆみが出たらご用心。

オリモノの善玉菌の機能が低下し膣内のアルカリ度が進んでばい菌が増殖しているかもしれません。原因は疲労や睡眠不足などのストレスや腸内フローラの乱れ、通気性の悪い下着、薬の服用など考えられますが、細菌性膣症かもしれません。

下着を汚したくなくておりものシートを替えずにいると膣炎を引き起こすおそれがあります。同じことが生理ナプキンにも言われていて、通気性のある下着やナプキン。こまめな取り換えと清潔に保つことが大事です。

アクティブな生活をしている人にタンポンも一案。

膣にはストレッチ性があるので正しい位置に挿入できれば痛みや異物感はありまえん。しかし置き忘れ、入れっぱなしは危険。インストラクションに従って清潔を保ってください。