放生医師のコラムより「卵巣セラピー ビタミンDはダイヤモンド」

こまえクリニック 不妊ルーム放生先生のコラムから、世の中の話題になっているトピックを不定期にお届けします。

ビタミンDは、女性にとってダイヤモンド・ビタミンというお話をしたいと思います。
ビタミンDが重要なのは、日本人のほとんどが不足しているからです。
日本内分泌学会の基準によれば、「20ng/mL以下が不足」
「21〜29が不十分」なのですが、
両方合わせると、9割の日本人女性が該当します。
ではなぜビタミンDが不足するのでしょうか?
ビタミンDは20%が食物から摂取されますが、残りの80%は、体内で合成されます。
どこで合成されるのかというと、皮膚で合成されるのです。
ところが日本人、とりわけ女性は日よけに熱心ですから、日焼け止めクリームを塗ったり、肌を被ったりして、日光を避けようとします。
ビタミンDの皮膚での合成には、太陽の光が欠かせないのです。
そうです。ビタミンDは光合成ビタミンなのです。
ビタミンDは生殖機能に重要な役割を果たすビタミンです。
体外受精に関する研究では、血中ビタミンD 濃度が20 ng/mL以下の群ではそれ以上の群に比べて、妊娠率が低く、ビタミンDは体外受精での妊娠率を上昇させ、直接子宮内膜に作用して着床率を上昇させる可能性が指摘されています。
興味深い報告として、ビタミンDとAMH(抗ミューラー管ホルモン)との関連があります。
40歳以上の女性では、ビタミンDが卵巣機能の維持に何らかの役割を果たしている可能性があるのです。
ですから、AMHの低い女性は、ビタミンD製剤の摂取により、AMH値の改善、ひいては妊娠率が向上する可能性があります。
またビタミンD不足は、妊活のみならず、更年期以降に女性は骨量が急速に減少してきますので、骨粗しょう症の原因にもなります。いまのうちからビタミンDをストックしておくことは重要です。

こまえクリニック院長 放生 勲


ビタミンDの効能について
厚生労働省 eJIM

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