エクオールと腸内フローラの関係とは?

伝統的に大豆製品を良く食べる私達は、欧米女性に比べ乳がん・子宮体がんの発症率が低いとされてきました。それは、大豆製品を良く食べる日本人の食生活により腸内フローラが整っていたから、とも言われています。
そして腸内フローラは健康寿命の鍵とも言われます。3歳の時には腸内フローラの原型ができあがり、我々の腸は、日々善玉菌と悪玉菌の縄張り争いにより、腸内フローラのバランスが変わります。そして経年の中で、善玉菌は老年期には、乳児期の100分の1に減ると言われています。そして、経年には関係なく、現代社会の高脂肪の欧米食により、腸内バランスの乱れが問題視されています。

最近の健康志向により、ここ10年位で、発酵ブームを始めすっかり大豆の健康増進効果や疾病予防効果が注目され、一時的な大豆ブームから、大豆飲料だけでなく大豆由来パスタや大豆ミートなど、さまざまな展開で大豆加工品商品が日常的に食されるようになりました。
しかし大豆は健康に良い!という認識は定着したものの、どういう目的で何に期待するのでしょうか?

ここで、改めて整理してみましょう。

大豆そのものには、栄養としては良質なたんぱく質、脂質、カルシウムや食物繊維、ビタミンEやB1、葉酸やカリウムその他ビタミン、ミネラルなど流石、畑のお肉と言われるだけの栄養があります。 そしてこの栄養素と併せて関心が高いのは、機能性としての大豆イソフラボンです。
しかし、腸管から吸収されるには、大豆イソフラボンは、アグリコン型である必要があります。妊活にも大豆イソフラボン、美容に大豆イソフラボン、そして更年期にも大豆イソフラボンが良いという話は女性であれば良く聞く話ですが、大豆イソフラボンの機能性を享受するためには、腸内細菌がキーであり、代謝されなければなりません。

食品から摂取された大豆イソフラボン(ダイゼイン)は、エクオール産生菌と呼ばれる腸内細菌と出会うことで初めてエクオールとなります。つまりは大豆製品を食べただけではエクオールは作られません。とりわけ現代人はエクオールを作れない人の割合が増えていると言われていますが、大豆食の習慣のある中高年のエクオールを作れる人の割合は50%と言われていますが、平均20歳代の若い女性は20パーセント(データ出典:日本女性医学学会雑誌,20,2,313,332-2012)と言われており、これらは、現代人の食の欧米化によるものかもしれません。

最近は、免疫アップ、腸活、菌活として日本の発酵食品がすっかり食のトレンドとして定着していますが、一方健康食品のトレンドとしては、AglyMax®(麹菌発酵大豆胚芽抽出物)以下アグリマックスという、大豆の胚芽部分を麹菌発酵させたアグリコン型イソフラボンの素材があります。
ご存じのように麹菌は味噌や醤油、日本酒や漬物など、日本古来より伝わる発酵食品に使われている「麹菌」と同じです。そして麹菌は国菌です。日本人の腸内環境とも相性がよいのではないでしょうか。アグリマックスは、体内でエクオールを代謝できる力を高めるという論文がでているため、大豆イソフラボンとしての機能性が優れているほかに、エクオールの機能性も期待できそうです。

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