ドクターインタビュー美馬レディースクリニック・自然妊娠力を高める

今回は、赤坂で「自然妊娠力」に拘り治療をされている美馬博史院長にインタビューさせていただきました。
これから妊娠を考える方にとっては、更年期はずっと遠い先と思われるでしょうが、実は我々女性のカラダは一生女性ホルモンに支配されていて健やかなホルモンの状態はその先の人生にも大切であることがわかりました。




ーー先生は体外受精や顕微鏡受精など高度不妊治療のキャリアが長いにも関わらず自然妊娠をテーマにした治療方針をとられていますが、それはなぜでしょうか?

体外受精や顕微授精は、確かに高度生殖医療ではあるのですが、染色体異常とか奇形児の確立も高く、妊娠率が格段に高いわけではありません。

どうしても人の手を加える生殖補助医療です。人の目で精子を選別するので異常精子を選ぶ確率も高いのです。

私が自然にこだわっているのは、自然妊娠で卵子自身が質のよい精子を捕まえるのが良い、ということです。そのためにもなるべく早くご自身の妊娠する力のチェックをしていただきたいのです。

ーー不妊で来院された方にはどのような検査が必要になりますか?また自然妊娠力アップのために具体的にどのような治療を行いますか?

まずは妊娠のしくみを教えます。

排卵をしないと妊娠はできません。そして卵管の検査、そして精液検査を行います。

その他酸化ストレス度の測定を行い、体の内側から抗酸化力をアップしていきます。

酸化ストレス度が高い方ほど不妊傾向にあります。

不妊治療をしている人は排卵促進剤を使うので、35歳前でも卵巣年齢は46歳と出ることがあります。卵巣年齢は年齢と共に減っていきます。28歳で検査の数値が4.0以上あっても46歳では1を切ります。

ーー子供を欲しいと思ったときには遅いということでしょうか?

子供を持ちたいと思ったら、まずは検査しご自分のカラダのコンディションを知る必要があります。

そのためには、不妊症で治療している女性には、ピルを飲むことを止めていただきます

見せかけの生理がありますが、実は女性ホルモンはでていません。

卵巣の働きは二つあります。ひとつは排卵をさせる。そしてもうひとつは女性ホルモンを出すことです。

しかし排卵を止めると女性ホルモンがゼロになるんです。

実際ピルを半年飲んだ実年齢28歳の女性の卵巣年齢は43歳だったというデータがあります。その女性はピルを止めて半年かかかって、卵巣年齢が33歳までに復活しました。

ーー単純にピルを止めれば排卵が復活してすぐに妊娠すると思っていましたが、そう単純ではないのですね。カラダはひとりひとり違うので尚更、今のコンディションを知ることは大切ですね。他にどのような取り組みがございますか?

当院では自然妊娠力向上のために、天然素材のサプリメントや漢方薬療法などを行っています。その他不妊症はストレスも関係します。エステサロンもございますので、キレイになって心が満たされることも大事なことです。また、腸内環境と女性ホルモンも関係があります。そのためにソイチェックを行います。

ーーソイチェックとは何ですか?

健やかな女性ホルモンの状態は妊娠しやすいカラダづくりには不可欠です。

ソイチェックとは、自分自身でエクオールをつくれるかどうかを見る検査なのですが、エクオール産生能があるかどうかを見ることができます。

最近はエクオールを自分でつくることができない女性が増えています。

排卵し受精した卵子は卵管を通り、4日~5日で着床しますが、子宮内膜のコンディションを良い環境にしておいかないとうまく着床しません。排卵しても着床しなければ意味がありません。そういう意味で着床しやすい環境にするために、当クリニックではアグリコン型大豆イソフラボンのアグリマックスというサプリメントを処方しています。抗酸化力が高くダイゼインが約70%で作用が優しいので安心して飲むことができます。経験上子宮筋腫のある人の筋腫が大きくなったことはありません。 

膣内の環境が悪いと着床障害を起こすこともあります。常在菌がしっかりしていないといけませんが、自覚症状がないのでなかなか気づけません。食生活の改善(発酵食品や食物繊維の摂取ももちろん大切ですが、習慣づけるのはそう簡単ではないでしょうから、妊娠しやすいカラダづくりの基本としてまずアグリマックスを飲むことをすすめています。

ーー妊娠をこれから考える知識のない若い世代が気を付けた方がよいことはありますか?

生理不順などがある方は、卵巣年齢を調べ、ソイチェックも早い方が良いですね。生理不順、生理痛がある人は婦人科を訪ねてください。そして子供を欲しい人は、安易にピルに手を出し飲みっぱなしは卵巣の老化に繋がるので避け下さい。

卵巣年齢の検査は、血液検査で1週間ほどでわかります。

ーー妊娠できる力の確認は、対策も早くとれるので早い方が良いということですね?

そうです。エクオールがつくれていると思っているけれど現代人は腸内環境が悪いので実際つくれていない人が多いのです。豆乳をせっせと飲んでもエクオールがつくれていない場合があるのです。

ーー他に御クリニックが誇る特徴はありますか?

男女産み分けをこの規模のクリニックとしては数も正確さもナンバー1だと思っています。今年度の男女の産み分けの結果は男の子、女の子とも成功率98%でした。昨今産み分けのニーズは高まっています。


→インタビューは次号に続きます(次号更年期編)


美馬レディースクリニック院長 医学博士
美馬博史(みまひろふみ)先生

東京慈恵会医科大学医学部卒。 同大学附属病院産婦人科、美馬産婦人科院長を経て現職。
産科婦人科および不妊治療の臨床医としての長いキャリアを踏まえ、妊孕性(妊娠する力)を守る大切さを訴え、体にやさしいホルモン治療、カウンセリング療法、抗酸化食事療法等を積極的に啓蒙している。

【所属学会・研究会】

日本産科婦人科学会専門医。日本東洋医学会専門医。日本生殖医学会会員。
日本女性心身医学会会員。日本女性医学学会会員。更年期と加齢のヘルス学会会員。
Sex Selection研究会(生み分け研究会)会員。

【著書(新著順)】

『自然妊娠力を高める本』海竜社
『妊娠したい!と思ったらすぐ読む本』海竜社
*以下は著者名美馬 宏夫充(みま・ひろふみ)
『キレイなわたしをつくるオバリー生活法』実業之日本社
『骨粗鬆症は防げる 治せる』マキノ出版
『更年期専門外来』海竜社
『こんにちは! 更年期』二見書房

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