女性として生まれた以上婦人科健診は一生

ドクターと患者の間にはどうしても距離があります。

女性に特有の不調の悩みをニコニコしながら話すということは難しいかもしれません。信頼は対人関係における中心となる概念ですが、気兼ねない関係に持って行くには時間がかかりますし、患者側の性格もある、ドクターとの相性もある。また受け止めてもらえるかの不安もありますよね。

取り分け婦人科領域の問題は、単に医療サービスを提供する側とそれを受ける側の関係だけでは乗り越えられない壁があります。診察する部位が部位であること、その病に至る理由も他人には言いにくいことであったり男女問題であったり、心の問題にもリンクしている場合が多いからです。

先日、かかりつけ医の北村先生との会話で気になることがありました。

寿命において、女性の方が寝たきりの期間が男性よりも長いそうです。平均寿命は男性は81.64歳、女性は87.74歳。しかし、健康寿命は72.68歳、女性は75.38歳。平均寿命と健康寿命の差は、男性約9年、女性は12年。つまり平均寿命は長いが、女性は男性に比べて寝たきりの状態が3年も長いのです。

健康寿命の延伸をどうしたら実現できるか、大きい問題だよと先生はおっしゃっていました。

女性は長生き!と勝手ながら思っていました。しかし寝たきりが12年もあるのでは意味がありません。

先生に子宮頸がんの検査はいくつまでやったら良いのですか?と尋ねましたら、何歳までやるかはよく医療関係者の中でも議論されているが、過去に異形成細胞があったり、過去にHPVウィルスが検出されているか否かによるけれど、「子宮が存在する限り」はやった方がよいと。

アメリカ癌協会では、子宮頸がん検査は、65歳がひとつのラインのようですが、過去にHPVワクチンを接種した人も、その年齢層に応じたこれらのガイドラインに従うべきで、子供を産まなくなったら子宮頸がん検診をやめてもいいと思っている人がいるとしたら大間違いだとしています。

子宮頸がん検診を受けることの重要性

子宮頸がんは、かつて米国女性のがん死亡の最も一般的な原因の一つでした。子宮頸がん細胞診が普及したことで大きく減少しこの10年間は死亡率に大きな変化はありません。スクリーニング検査は、子宮頸がんを早期に発見できる子宮頸細胞の異常な変化(前がん)を発見し、子宮頸がんになる前に治療できるため、ほとんどの子宮頸がんを予防することができます。

企業や自治体の検診で子宮頸がんの検査はできますが、不調がなくても一年に一度婦人科を訪ねて診てもらう、不調があれば相談できる婦人科医をかかりつけ医として持つというのは女性にとって安心なことだと考えています。

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