男女の不妊症において、どのような原因が関与されるか?
ユーニスケネディシュライバー国立小児保健人間開発研究所は、米国保健社会福祉省の国立衛生研究所(NIH)の1つで、子供、大人、家族、およびコミュニティの健康を改善することを目的とした 研究をサポートおよび実施している機関です。
男女の不妊症において、どのような原因が関与されるか?という記事をご紹介します。
女性は100万~200万個の卵子をもって生まれますが、生涯を通じ減少していきます。卵巣内の卵子と質の低下により、受精率の低下が加齢と共に加速します。
卵子の数が減少すれば、ホルモンレベルが変化し、女性の生殖能力はさらに低下します。
女性の加齢に伴うリスク
・子宮筋腫
・卵管疾患、卵管に影響を与えるさまざまな感染症
・子宮内膜症
・卵子の遺伝子異常、卵子の生存能力に低下やダウン症などの可能性が高くなります。
女性が年齢を重ねると流産や染色体異常のリスク等も上がります。
男性の加齢による精子の質の低下
・受精する能力への影響
・精子の生産量の減少。
・精子の遺伝子異常
・テストステロンレベルの低下や高血圧等の加齢に伴う投薬に影響を受ける可能性がある勃起不全
・生殖能力や器官の変化、前立腺肥大など。
新しい研究としては、研究者が卵巣の幹細胞から卵子を作成できる可能性があることを示唆しています。この方法の発見は、不妊の要因の年齢を取り除くことができるとしています。
出典元:ユーニスケネディシュライバー国立小児保健人間開発研究所
参考:九大が、マウスのES細胞から卵子を作製
九大の研究者は、マウス幹胞から卵巣の組織を作り試験管内で正常な卵子を再構成することに成功しました。ただ、ヒトへの応用は技術的に実現可能なものの、その応用の倫理と技術について慎重に考え、議論しなければならないとありました。
米科学誌サイエンスに2021年7月16日、論文が掲載されています。