「ピルと女性アスリートのニューノーマル」

The Conversationは、2011年にオーストラリアのメルボルンで設立された学術関係者や専門家の研究をニューススタイルで伝えるウェブサイトで、現在、オーストラリア、米国、英国、フランス、アフリカ、インドネシア、スペイン、カナダで活動する専任チームによるサイトのグローバルネットワークとして機能しています。

The Conversationで、ピルとアスリートの関係で面白い記事を見つけました。

暑熱環境下で女性アスリートがピルを服用することによりパフォーマンスを発揮できる?

運動を行うと、筋肉が収縮し、熱が産生され体温が上昇することは知られている話です。

取り分け女性には生理やホルモンがあり、男性とは異なる影響があります。

暑熱環境下のアスリートのパフォーマンスに対する研究はなされているものの、それは男性アスリートのデータに基づくものです。

生理の直前や期間中には多くの女性が体温の上昇を経験し、通常より暑くて汗をかくようになるという事実もあります。

研究者はピルが暑い時期の女性の体温をコントロールするのに役立つかどうかを調べました。

その結果ピルを服用する女性アスリートは、ピルを服用していない人と比較して暑い状況でもより良く速く順応する可能性が高く、このことはピルを服用することで生理期間中の体温を制御することを意味しているとしています。※米国の女子サッカーチームで戦略としてピルが利用されています。

※参考記事:  女性アスリートの月経周期のトラッキングが米国女子サッカーチームがワールドカップで優勝するにどう役立ったか?

米国女子サッカー代表チームが第四回ワールドカップで優勝した戦略として生理周期をトラッキングしたというニュースがありました。
2019.8.8 GMA(米国ABC報道番組 グッドモーニングアメリカ

生理周期のトラッキングにより、女性の生理周期の一番エネルギーがでる時期、ダウナーな時期、そしていかに過酷なトレーニングをどう組み込むかなどを戦略として検討しました。プロのアスリートだけでなく、すべての女性が恩恵を受けることができます。生理周期を知ることは、妊娠という目的以前に、日常生活の改善に有効としています。

翻って日本。2012年ロンドンオリンピックで生理対策を行っているアスリートの割合は7%(低用量ピルの服用)、2016年のリオオリンピックでは27%と徐々に増えていますが、(https://www.nikkansports.com/sports/news/202101270000229.html

まだまだトップアスリート自体や指導者、メディカルスタッフに知識が乏しいことは否めません。

低用量ピルに対する理解と対策はとても必要です。

国立スポーツ科学センターより発刊のHealth Management for Female Athletes がサイトで公開されていました。トップアスリートに限らず、スポーツをする女性全般、部活レベルの活動でも同様。

スポーツをする側、指導する側、両人とも「生理を知る、学ぶ」ことはスポーツに関わる者として常識です。そしてこの課題は、女性アスリート特有の問題ではなく女性全体のヘルスケアにつながります。

わたしたちは、そろそろ、「ピル」を女性のヘルスケアに有効に利用していく必要があります。

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